鈴木小舟の歌碑

鈴木小舟の歌碑

世の中の春にはあそび あきにけりいさ 鶯と山こもりせむ

この和歌は郷土の歌人、鈴木小舟が家庭の不幸と自信の病弱が因で横浜より菰野に帰り、独りこの静かな湯の山で傷心を癒していた明治十八年ごろの作品です。

明治二十九年に皇后が伊勢神宮へ行啓の際、小舟はこの歌を詠進しました。そのとき皇后の御感に入り、小舟の優れた歌才が認められました。このことが奇縁となって明治三十二年宮中の御歌所へ出仕を命ぜられ、その後歌道について皇后に奉仕すること十年余の長きにわたる光栄に俗しました。

小舟は大正十二年二月、六十六歳、東京で亡くなりました。